2025年1月、日本の芸能界に衝撃が走りました。旧ジャニーズ事務所の後継企業であるスマイルアップ社が、性被害を訴える元メンバー4人に対して逆提訴を行ったのです。この決断は、被害者救済のあり方に新たな議論を呼び起こしています。
訴えられたのは、元ジャニーズジュニアの田中純也さん、飯田京平さん、大島幸さん、そして「忍者」の元メンバー、志賀安信さんです。彼らは米国ネバダ州の裁判所に対し、総額3億ドル(約470億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしていました。これに対抗する形で、スマイルアップ社は東京地裁に提訴を行ったのです。
田中さんは記者会見で、被害者に対しての訴訟を起こすのは乱暴だと述べ、他の被害者たちにも不安が広がっていると語りました。また、大島さんもこの行動が被害者に寄り添うものではないと厳しく批判しました。法律専門家は、スマイルアップ社が一方的に設定した枠組みを押し付けようとしていると指摘し、問題の解決には真摯な姿勢が求められると強調しました。
この事態の背後には、旧ジャニーズ事務所による性加害問題が長年にわたり放置されてきた経緯があります。2023年3月に放送されたドキュメンタリーや、国連人権理事会による調査がきっかけとなり、多くの被害者が声を上げるようになりました。2024年9月には、被害者救済委員会が999人の被害申告を受け、504人と保証内容で合意したことが発表されました。
しかし、志賀さんは、保証金を払ったからといって問題が解決するわけではないと訴え、さらなる再発防止策が必要であると訴えました。彼は、メディアの責任や、未だに終わっていない問題の重要性を強調し、社会全体での理解と対応が求められているとしています。
このように、旧ジャニーズ事務所に関する問題は依然として進行中であり、今後の展開が注目されます。被害者たちの声に耳を傾けることが、真の解決への第一歩となるでしょう。