三重県伊勢市で1998年11月24日に失踪した女性記者、辻でのり子さん（当時24歳）の行方が依然として不明であることが、事件から25年以上経過した今もなお、世間の関心を集めている。辻さんの最後の目撃情報は、会社を出た直後の時間帯で、彼女の車は不自然に駐車場に放置され、車内には彼女の持ち物ではないタバコの吸い殻が見つかっていた。この異常な状況は、彼女が何らかの事件に巻き込まれた可能性を示唆している。

捜査は一時、辻さんと最後に接触したとされる男性Xに焦点を当てたが、彼は別件で逮捕された際に無罪判決を受け、辻さんの失踪との関連は立証されなかった。Xは、複雑な女性関係を持ち、過去には暴力的な行動が報告されている危険人物だ。彼が辻さんに接触した夜、何が起こったのか、疑念は深まるばかりだ。

警察の捜査は遅れ、初動捜査の不備が指摘されている。辻さんの家族は、未だに彼女の行方を追い続け、情報提供を呼びかけている。2023年、Xはストーカー行為で再逮捕され、彼の危険な側面が再び浮き彫りにされた。辻さんの失踪事件は、単なる未解決事件ではなく、日本の刑事司法制度の問題点をも浮き彫りにしている。

今後の捜査の進展が期待されるが、25年の歳月が証拠の劣化や関係者の高齢化をもたらし、解決の可能性は極めて低いとされている。辻さんの両親は、娘の帰りを信じ続け、毎年11月24日には情報提供を呼びかけるビラを配布している。真実が明らかになる日を待ち望む彼らの思いは、決して消えることはない。