群馬県前橋市の赤木神社で、1998年5月3日に主婦の静かのり子さん（当時48歳）が忽然と姿を消した事件が、今なお解決を見ていない。失踪から26年以上が経過した今も、彼女の行方は不明で、事件の真相は謎に包まれている。

当日はゴールデンウィークの雨の日で、のり子さんは家族と共に赤木神社に立ち寄った。彼女はお賽銭として101円だけを持ち、雨の中、一人で神社へ向かった。その後、わずか6分の間に姿を消し、娘が目撃したのは母親らしき人物が林道に立っている姿だったが、目を離した瞬間にその姿は消えてしまった。

家族は午後1時30分に警察に捜索願を提出し、約80人の捜索隊が現場周辺の捜索を開始。捜索は10日間にわたり行われたが、のり子さんの痕跡は一切見つからなかった。特に注目すべきは、当時の目撃情報が極めて少なかったことで、観光地にもかかわらず、目撃者はわずか20件程度だった。

新たな手がかりとして、失踪翌日に赤木神社近くでのり子さんに似た女性が目撃されたという情報があるが、山道を長時間歩かなければならないため、彼女がそこに辿り着くのは疑問視されている。さらに、失踪後には無言電話が家族にかかり、これが事件と関連しているのかは未だ不明である。

この事件は「平成の神隠し」とも呼ばれ、様々な仮説が浮上している。事故、自発的な失踪、または第三者による誘拐の可能性が考えられているが、いずれのシナリオも決定的な証拠に欠けている。果たして静かのり子さんはどこに消えてしまったのか。事件の真相が明らかになる日を、家族は今も待ち続けている。