1991年10月1日、横浜市で小学3年生の野村香おりちゃんが行方不明になるという衝撃的な事件が発生しました。彼女は自宅からわずか540メートルの距離を歩くだけで、運動会の振り替え休日に姿を消しました。この不可解な失踪事件は、30年以上経った今でも解明されておらず、未解決のまま語り継がれています。
当日、香おりちゃんは午後3時50分頃、青と白のチェック柄の傘を持ち、ピンクの長靴を履いて自宅を出発しました。しかし、彼女は教室に到着することはありませんでした。午後5時、母親が帰宅するも、香おりちゃんの姿はなく、最初は遅れているだけだと思われましたが、やがて警察に通報される事態に発展しました。捜索が始まるも、目撃情報はほとんどなく、雨によって証拠が消失してしまったため、手がかりは皆無に等しい状況でした。
警察は事件の初期段階で、事故や誘拐の可能性を検討しましたが、香おりちゃんが自力で移動できる距離ではないことから、事件性が高いと判断。捜査は神奈川県警との合同操作本部が設置され、延べ9万756人の捜査員が投入されるという大規模なものとなりました。周辺住民への聞き込みや捜索活動が行われましたが、未だに有力な証拠は見つかっていません。
この事件は、計画的な犯行の可能性が高いとされ、香おりちゃんの行動パターンを把握していた何者かが狙っていたのではないかとの見方もあります。周囲には不審者の目撃情報もあり、地域の住民は恐怖に怯えています。今もなお、香おりちゃんの家族は彼女の帰りを信じて待ち続けており、捜索活動は続けられています。
この未解決事件の真相が明らかになる日を、私たちも心から願っています。